脳ヘルニアの原因や症状、治療

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脳ヘルニアとは

頭蓋はかたい頭蓋骨でおおわれているため、頭蓋内の容積はかぎられています。そのため、脳組織や髄液などが増大したり、脳腫瘍や血腫(血のかたまり)などの占拠物が発生したりすると、脳の中の圧が高くなってきます。

 

この状態を脳ヘルニアといいます。 脳には代償機能が備わっているので、頭蓋内の圧を高くする原因が加わっても、初めのうちは、圧が高くならないように食い止めておくことができます。

 

しかし、いったん代償機能がくずれると、頭蓋内の内容物のわずかな増大にも耐えきれなくなり、圧が高くなってきます。 

 

頭蓋内の圧が非常に高くなると、圧に押されて脳の組織の一部が正常な位置からはみ出してしまい、周囲の脳組織を圧迫するようになります。

 

このような状態を脳ヘルニアといいます。 脳ヘルニアがおこると、頭蓋内圧がますます高くなり、脳に加わる障害もさらにひどくなるという悪循環が生じ、脳のはたらきが低下して生命が危険になってきます。

 

脳ヘルニアになる原因には、つぎのようにいろいろなものがあります。

 

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脳ヘルニアの原因

@正常ではない占拠物(脳腫瘍、頭蓋内血腫)の発生。

 

A頭蓋内の病変にともなう脳の容積の増大(脳浮腫)。

 

B脳脊髄液の通過障害による頭蓋内の船旅の増大末座症)。

 

C脳の循環障害(とくに静脈系が閉塞する静脈洞血栓症)

 

D頭蓋の病的な狭小(狭頭症、外傷による頭蓋骨の巨大脳没骨折。

脳ヘルニアの症状

脳ヘルニアの症状は、短時間のうちに急速に現われてくる場合(急性症状)と、長い時間をかけて徐々に現われてくる場合とがあります。

 

●急性症状

 

見た目にわかる症状としては、意識障害、瞳孔不同(片側の瞳孔が開きっ放しになる)、からだの片側のまひ、除脳硬直(手足が突っ張ったままになる)、呼吸困難などがあります。 検査を行なうと、対光反射の減弱や消失(光を直接、目に当てても瞳孔が縮まない)、腹圧の増大、脈拍数の減少、血圧の上昇、腱反射の異常などがみられます。

 

●慢性症状 

頭痛と嘔吐がおもな症状です。早朝におこる頭痛と、噴水のように吐くことが特徴的です、 長い期間、脳ヘルニアが続くと、眼底検査でうっ血乳頭がみられます。 また、物が二重に見える複視がおこることもありますし、検査を行なうと、眼球が外側のほうへは動かない外転神経まひがみられます。

 

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脳ヘルニア

脳ヘルニアの原因に応じた治療が行なわれます。 頭蓋内圧を下げる治療としては、占拠物の摘出をはじめ、髄液の排除、頭蓋骨を切り取ったままにして圧が上がらないようにする減圧手術、頭蓋内圧降下剤や副腎皮質ホルモン剤などを使用して、脳にむくみ(浮腫)がおこらないようにする抗浮腫療法などがあって、必要に応じて行なわれます。

 

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