ブルガダ症候群とは
ブルガダ症候群は、スペイン人医師ペドロ・ブルガダとその兄弟によって1992年に報告された心疾患です。ほかにブルガーダ症候群とも呼ばれています。重い不整脈である心室細動により失神し、最悪の場合は死に至ることもある恐ろしい病気です。
ブルガダ症候群の原因
ブルガダ症候群の患者さんには、心筋細胞の細胞膜上にある遺伝子の変異に原因がある例がみられます。問題の遺伝子は第3染色体の短腕上にあります。
遺伝子の変異により右室心外膜での活動電位時間が大幅に短縮してしまい、貫壁性の再分極状態のばらつきが大きくなるため、心室細動を起こしやすくなると考えられています。
変異した遺伝子がアンキリン-Gと結合できないため、心臓活動電位が変化すると考えられています。アンキリン-Gとは、細胞骨格とイオンチャンネルの相互作用を調停する膜骨格タンパク質のことです。
なお遺伝子の変異は、常染色体優性で遺伝します。しかし、ブルガダ症候群の遺伝子異常は検索されても20%程度のみにしか認められず、すべてのブルガダ症候群がSCN5Aの異常で説明されるわけではありません。
ブルガダ症候群の症状
ブルガダ症候群ではブルガダ型心電図を示すのみで基本的には明らかな器質的心疾患を認めません。ブルガダ症候群は日本や東南アジアで発症の頻度が高く、40歳前後の男性に多く症状が現れるとされていて、しばしば突然死の家族歴があります。
ブルガダ症候群の特徴、治療
ブルガダ症候群の患者さんの約90%が男性で、1000人に1〜2人の割合で発症するといわれています。
発作は心室細動でICD（体内埋め込み型除細動器）かAED（体外用除細動器）などの電気ショックで治療します。
心室細動の発作がいつ起こるか解らないため、最近ではとくにICDの利用が多くなってきています。ICDは電磁波によって誤作動の危険性もあるので、社会的な環境保全が待たれています。
電子調理器・盗難防止用電子ゲート・大型のジェネレーターなどが誤作動を誘発する恐れがあります。