耳管狭窄症の原因や症状、治療

耳管狭窄症とは

耳管のはたらきが悪くなったり、耳管の中が狭くなったり(狭窄)する状態が耳管狭窄症です。 唾液を飲み込んだり(眼下)、あくびをしたときに耳管が開かなくなり、空気が中耳腔へ入らなくなって、中耳腔の圧が下がります。

 

このため鼓膜の振動が悪くなって、軽い難聴や耳の中がつまった感じ(耳閉感)がおこります場合によっては自分の声が大きく聞こえる(自声強聴)こともあります。

耳管狭窄症の原因

上気道炎(かぜ)などで鼻炎副鼻腔炎(蓄膿症)、上咽頭炎がおこると耳管の内側の粘膜が腫れ、耳管の内腔が狭くなります。 

 

子どもは、アデノイド(咽頭扁桃肥吉や耳管の入り目の扁桃肥大があると、耳管のはたらきが悪くなります。

 

思春期男子は上咽頭血管線維腫(良性腫瘍)で、成人は上咽頭がんで耳管が圧迫されると耳管狭窄症になります。 

 

口蓋裂をもつ子どもは、耳管を開く筋肉のはたらきが悪いために耳管狭窄になります。

耳管狭窄症の診断

鼓膜が鼓室のほうへ引っ張られている程度や鼓膜の動きを手術用顕微鏡で耳管狭窄症を観察します。また、耳管に空気を通し、空気が鼓室に入るかどうかを確認します。

 

耳の聞こえ具合を調べる聴力検査、鼓膜の動きの程度を調べるティンパノメトリーなどの検査も行なわれます。ファイバースコープで、上咽頭に腫瘍がないか調べることもあります。

耳管狭窄症の治療

耳管狭窄症の原因となっている病気の治療をします。上気道炎の場合は、熱、痛みなどの急性期の症状がなくなったら、中耳腔へ空気を通す耳管通気を行ないます。

 

これらの治療で耳管狭窄症が改善しない場合は、鼓膜に小さな穴を開け、換気チューブを留置します。

 

耳管狭窄症を治療しないでいると、癒着性中耳炎というやっかいな病気になることがあります。

 

かぜをひいて鼻づまりがあるときは、気圧が急激に変化するような飛行機などに乗らないようにします。