慢性腎不全とは
いろいろな原因で長期にわたって徐々に腎臓のはたらきが低下していく状態を慢性腎不全といいます。はたらきの落ちている程度によって、軽いほうから賢機能障害、賢不全、尿毒症に分類されます。
正常の二分の一以下に落ちている段階あたりから慢性賢不全といいます。
慢性腎不全の症状
腎臓のはたらきの落ちている程度が軽い間はほとんど慢性腎不全の症状がありません。腎臓のはたらきが正常の五分の一以下に落ちてから、いろいろと慢性腎不全の症状がでてきます。
自覚症状として尿の量が増える（とくに夜）、目のまわりや足のむくみ、疲れやすい、食欲がない、息切れがする、皮膚がかゆい、貧血、アンモニアの口臭がする、血圧が高いなどの症状がでてきます。子どもでは身長が伸びません。
慢性腎不全の原因
慢性腎不全の原因としては、慢性腎炎、糖尿病性腎症、腎硬化症、嚢胞腎の順となっています。最近は糖尿病からくる糖尿病性腎症が増えています。子どもでは、大部分が腎臓の先天的発育障害が原因となっています。
慢性腎不全の検査、診断
慢性腎不全の検査では、腎臓のはたらきを調べる検査として、血液、尿の検査が行なわれます。血液検査の尿素窒素、クレアチニンの高い値、血液と尿のクレアチニンの値から計算するクレアチニンクリアランスの低下などがみられます。
腎炎ではたんぱく尿がみられます。そのほか、超音波検査により腎臓の状態を調べます。
慢性腎不全の治療
慢性腎不全の治療は、食事療法と薬物療法が中心です。食事療法の基本はたんぱく制限と高カロリー食です。
状態に応じて、水分、塩分の制限が必要になります。具体的には、専門の医師、食事療法士に相談してください。慢性腎不全の薬物療法は、賢不全によっておこる症状を改善させるためのものです。
たとえば、血圧を下げる薬（降圧剤）、尿量を増やす薬（利尿剤）などが投与されます。いよいよ末期の慢性腎不全になったなら、透析療法に移行します。